メーラーデーモンからの送信エラーメール
「誰からだろう?」と気持ちを弾ませ覗きこんだ
次の瞬間、深い悲しみに襲われる。
「アドレスを変えたのか?」
連絡も無しにさよならなのか?
そんな悲しみが突然襲ってくる。
愛しいヒトから来たメールの返信を返すが、
その返信が遅い。
ふてくされて寝てしまい、
朝、メールが届いていないことに落胆し、
仕事に向かう途中
「今、六本木にいるの?」
なんて、仕事さぼっているみたいなメールが届く。
メールの遅配だ。
営利をむさぼることしかしらないキャリア系の会社は、
ろくなシステムを構築していない。
だが、どこでも繋がるようにアンテナの設置は
積極的に行う。
「届かぬ想い」
メールの遅配による被害は割と多いと思う。
頑張って早起きした彼女と
頑張って仕事を終わらせ息を切らせて、
いつもの街に出てきた男がすれ違ったまま
会えない事もあるのだ。
出会い系サイトのスパムによって、
出会いが奪われるのだ。
お互いの想いがすれ違わないように、
タイトルに時間を入れるようになった。
今のところ、遅配の最高記録は、36時間。
36時間後に、もう死んでいることもあるかも
しれないんだよ。
どれだけの想いがすれ違ったのだろう?
今の時代は、そんな届かぬ想いもある。
『君の声が聞きたい。』
2001/12/02
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